○吉川松伏消防組合危険区域活動要領

令和3年8月4日

消防長決裁

(目的)

第1条 この要領は、埼玉DMATの危険区域における活動について、当消防組合警防部隊及び埼玉DMAT相互の活動と安全基準を明確にし、効果的な連携活動と安全管理の徹底を図ることを目的とする。

(適用範囲)

第2条 適用範囲は、原則として警防部隊及び埼玉DMATの危険区域における活動とする。ただし、NBC災害は本要領の適用外とする。

(用語の定義)

第3条 この要領における用語の定義は、次のとおりとする。

(1) 危険区域 救助活動を行う倒壊建物内や事故車両等で、埼玉DMAT隊員の進入統制を行う必要がある区域

(2) NBC災害 放射性物質(N)、生物剤(B)及び化学物質(C)の漏洩、拡散、流出又は散布の事故等(過失及び故意)に伴う、原因物質の有害性又は有毒性に起因する災害

(3) 最高指揮者 災害現場に出動した警防部隊を指揮し、当該災害現場における活動を統括する権限と責任を有する者

(4) 警防部隊 災害現場において活動する指揮隊、消防隊、特別救助隊、救急隊等

(5) 埼玉DMAT 埼玉DMAT設置運営要綱(以下「DMAT設置運営要綱」という。)第3(1)及び(2)に基づく者

(6) 統括DMAT DMAT設置運営要綱第4(3)及び(4)に基づく者

(7) PPE Personal Protective Equipmentの略で、別表第1を基準とする個人防護装備

(8) CSM Confined Space Medicineの略で、狭隘空間において行う医療活動

(9) ショアリング 支柱等を用いた倒壊建物等の安定化技術

(10) ハザード 災害現場における様々な危険要因

(11) 応急救護所 救助活動現場又はその付近において、傷病者の一時収容、応急手当、トリアージ及び救急車等への搬送等を行う場所

(危険区域における警防部隊の活動)

第4条 警防部隊は、次に掲げる事項に留意し危険区域における活動方針を決定する。この場合において、埼玉DMATとの危険区域における連携活動については、常に埼玉DMATの進入が最善かを考慮し活動にあたるものとする。

(1) ハザードの把握と安全確保方法の確認

(2) 隊員のPPE及び体調管理

(3) 要救助者についての詳細な情報収集(状況、容態ほか)

(4) 救出計画の作成

(5) 進入・退出経路の把握及び時間管理

(6) 医療活動手順の確認(処置、資機材等)

(7) 資機材の準備及び特殊な資機材等の検討

(8) 隊員間の合図の確認及び外部への情報伝達方法の確認

(9) 緊急脱出方法の確認

(10) 救急救命士の活用

(危険区域における埼玉DMATの活動)

第5条 埼玉DMATの活動は、DMAT設置運営要綱第9に基づき実施することを基本とするが、災害現場における活動は、応急救護所内を原則とする。

2 CSMを含めた危険区域における埼玉DMATの活動は、次の各号に掲げる要件のいずれにも該当し、かつ、警防部隊と埼玉DMATが相互に危険区域進入前チェックリスト(様式第1号。以下「進入前チェックリスト」という。)を使用し安全面等について全てのチェック項目を満たした場合にのみ、行うことができるものとする。

(1) 危険区域における活動について、必要な知識、技術及び意志を有すると認められる埼玉DMAT隊員を派遣することができる場合

(2) 応急救護所内での活動及び人員に余裕がある場合

(3) 救出までに相当な時間を要し、かつ、埼玉DMAT隊員が危険区域内に進入し医療処置を行うことが傷病者に対し最善であると認められる場合

(安全確認の実施者)

第6条 前条第2項に規定する進入前チェックリストを使用した安全面等の確認(以下「安全確認」という。)は、当該危険区域において救助活動を主導する警防部隊の隊長と統括DMATにより派遣された埼玉DMAT隊員により実施するものとする。

(危険区域への進入決定)

第7条 前条に規定する安全確認が実施され、埼玉DMAT隊員が危険区域へ進入し活動することが最善と判断された場合、警防部隊の隊長は、統括DMATと総合調整を行った後、警防部隊の現場判断として最高指揮者へ安全確認の結果を報告し、進入決定の指示を求めるものとする。ただし、危険区域への進入は、最高指揮者の判断により実施するものとする。

(進入決定後の隊員管理)

第8条 埼玉DMAT隊員が危険区域へ進入し活動することが最善と判断され、最高指揮者により進入の決定が判断された場合、警防部隊の隊長は、危険区域連携活動チェックリスト(様式第2号)を使用して、進入隊員の管理を危険区域における活動が終了するまで継続的に行うものとする。

2 活動中において、危険情報を入手、若しくは隊員の安全が確保されないと判断される事態が発生した場合、警防部隊の隊長は、直ちに活動中の隊員に周知するとともに、危険区域から退避させ、活動を一時中断させるものとする。

3 埼玉DMAT隊員が危険区域へ進入し活動した場合において、負傷等の事故が発生した場合は、直ちにその旨を最高指揮者及び統括DMATへ報告するものとする。

(教育)

第9条 危険区域における円滑な連携活動を実施するため、危険区域における連携指針(別表第2)に基づいた教育及び研修を実施するよう努めるものとする。

この要領は、消防長決裁の日から施行する

別表第1(第3条関係)

危険区域活動に必要な個人防護装備の基準

1

救助服(救助服に準ずるものを含む)

2

ヘルメット(防じんメガネ・ヘッドライト)

3

革手袋(ケブラー手袋)

4

編上靴

5

防じんマスク

6

肘当て

7

膝当て

8

警笛

9

耳栓

10

墜落静止用器具

11

感染防止衣

※1 危険区域の状況により装備を選定すること。

※2 耳栓は環境的要因(粉じん、アスベスト等)による人体への悪影響から防護するとともに、進入・退出路設定時に発生する騒音等からもその影響を軽減するために使用すること。

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吉川松伏消防組合危険区域活動要領

令和3年8月4日 消防長決裁

(令和3年8月4日施行)